会社に、辞めることを伝えました。
10年働いた食品工場です。内定が出た日の記事で「一番気が重いのは会社に言うこと」と書きましたが、その日がついに来ました。
結論から言うと、退職日も引き継ぎも、思っていたよりすんなり決まりました。ただ、伝えたときの上司の一言には、正直ずっとイライラしていました。
この記事では、どうやって切り出したのか、上司に何を言われたのか、そして工場で退職を伝えるときによくある疑問への答えを、自分の体験からまとめます。
言うと決めるまで、2週間迷った
内定が出てから上司に伝えるまで、2週間くらいかかりました。
辞めることは決まっているのに、言い出せない。シフトに入るたびに「今日言おうか」と思って、結局言わずに帰る。その繰り返しでした。
10年いた職場です。お世話になった人もいるし、言ったら空気が変わるのも分かっている。頭では言うしかないと分かっていても、体がなかなか動きませんでした。
切り出したのは退職の2ヶ月前、会議室で
上司に話したのは、退職日の2ヶ月前です。「少しお話があります」と声をかけて、会議室で二人で話しました。
実は、前からそれとなく匂わせてはいました。だから「お話があります」と言った瞬間、上司のほうも「来たか……」という感じでした。いきなり爆弾を落とすより、多少は受け止める準備をしてもらえていたと思います。
一般的には、退職の意思は1ヶ月半前くらいまでに伝えるのがいいと言われています。工場は人の配置やシフトを組み直す必要があるので、2ヶ月前は余裕を持てる、ちょうどいいタイミングだったと思います。
「相談」じゃなく「報告」で行くと決めていた
切り出す前に、転職エージェントから退職の伝え方についてアドバイスをもらっていました。
一番強く言われたのは、「相談」ではなく「報告」のスタンスで話すことです。「辞めようか迷っていて」と相談の形で話すと、引き止めの余地を与えてしまう。内定をもらっていること、辞める日を決めていること、引き継ぎはきちんとすること。これを最初にはっきり伝えるのが大事だということでした。
ほかにも、次のようなことを教わりました。
- 何月何日で辞めるかを明言して、そこは譲らない
- 転職先の社名は、無理に言う必要はない
- 就業規則で、退職を何日前までに申し出るかを確認しておく
- いつ・誰と・どんな話をしたか、メモを残しておく
「相談」と「報告」の違いは、言葉にすると小さいですが、実際に話してみると全然違います。自分の中で「もう決めたことを伝えに行く」と思えていたから、緊張していてもブレずに話せました。
辞める理由は、正直に何個か伝えた
辞める理由を聞かれて、正直に何個か話しました。
一つは、製造業の仕事そのものへの物足りなさです。量産ラインで作ったものは、自分の手から直接お客さんに届くわけではありません。10年やってきて、そこにずっと物足りなさを感じていました。
もう一つは、職場の環境です。悪口が飛び交う空気に、正直疲れていました。
どれも本当の理由です。言わずに辞めることもできましたが、10年いた場所なので、ちゃんと理由は伝えたかった。
上司の返事は「一番は物足りなさだよね?」
そこで上司に言われたのが、この一言でした。
「職場が理由で辞められたら、自分の評価に響く。だから、その中で一番はやっぱり物足りなさだよね?」
僕は「どれが一番とかじゃないです。全部が複合してですね」と返しました。
部下が職場環境を理由に辞めると、上司はさらに上から「なぜ辞めさせたのか」と聞かれる立場になります。上司も上司で、そういう構造の中にいる。頭では分かります。それでも、辞める理由をちゃんと伝えたのに、真っ先に気にされたのが上司自身の評価だったことには、引っかかりが残りました。
退職の伝え方を解説した記事では、よく「退職理由に不平不満は入れない方がいい」と書かれています。引き止めの口実にされるから、というのが一般的な理由です。でも実際に言ってみて分かったのは、不満を伝えても、それはそれで上司の都合のいい理由に言い換えられてしまう、ということでした。
正直、ずっとイライラしていた

その場では飲み込みましたが、そのあとずっとイライラしていました。
10年働いた職場で、最後に話すことがそれなのか。その引っかかりが、しばらく抜けませんでした。
ただ、何日か経って、前を向こうと思えるようになりました。上司の評価がどうなるかは、もう僕が背負うことじゃない。辞めると決めたのは自分で、次の場所に行くのも自分です。そう考えたら、少し楽になりました。
引き止めはなく、退職日と引き継ぎはすんなり決まった
引き止めは、一切ありませんでした。次の会社が決まっていることを最初に伝えていたので、上司も止めても無駄だと分かっていたんだと思います。
転職先がどこなのかという話も、していません。聞かれもしなかったし、こちらから言う必要もないと思っていました。
退職日も、引き継ぎの段取りも、揉めることなく決まりました。「報告」として、決めたことを最初にはっきり伝えていたのが大きかったと思います。迷っている様子を見せていたら、「次の人が見つかるまで」と話が長引いていたかもしれません。
退職届は、まだ出していません。来月の頭に出す予定です。
仲のいい人に伝えたら、悲しんでくれた
職場のみんなには、まだ伝えていません。仲のいい人にだけ話しました。
その人たちは、辞めることを悲しんでくれました。上司の反応とは全然違って、それが素直にうれしかったです。
悪口が飛び交う職場だと書きましたが、全員がそうだったわけじゃない。10年いて、ちゃんとこういう人たちもいたんだと、辞める段になって改めて思いました。
これから工場を辞める人に伝えたい4つのこと
自分が実際にやってみて、これは大事だったと思うことをまとめます。
①切り出すのは、余裕を持って2ヶ月前くらい
工場はシフトや人の配置を組み直す必要があります。早めに伝えるほど揉めにくく、引き継ぎにも時間をかけられます。
②「相談」ではなく「報告」で話す
辞める日と、引き継ぎはきちんとすることを、最初にはっきり伝える。これだけで、話の進み方が変わります。次が決まっているなら、その事実を伝えるだけで、引き止めはかなり起きにくくなります。
③辞める理由は、軸を一つ決めておく
本音の理由が何個あっても、上司は自分が受け止めやすい理由を選んできます。それなら最初から、前向きで、今の職場では叶えられない理由を軸にして話した方が、自分の気持ちもすり減らずに済むと思います。
④上司の反応は、自分の問題じゃないと割り切る
どんな反応をされても、それは上司の立場の話です。辞めると決めた自分の選択が、それで間違いになるわけではありません。
工場で退職を伝えるときの、よくある疑問
Q. 何日前に言えばいい?
まずは会社の就業規則を確認してください。「退職の◯日前までに申し出ること」と決められていることが多いです。
法律上は、期間の定めのない雇用(いわゆる正社員)なら、退職を申し出てから2週間で辞められることになっています(民法627条)。ただ、円満に辞めたいなら、就業規則に従って、できれば1ヶ月半〜2ヶ月前に伝えるのがおすすめです。僕は2ヶ月前に伝えて、引き継ぎにも余裕を持てました。
なお、契約社員など期間の決まった雇用の場合は、ルールが違うので注意してください。
Q. 転職先の社名は言うべき?
言う必要はありません。僕は転職先の話を一切していませんし、聞かれもしませんでした。言うかどうかは、円満に辞められるかを考えて、自分で判断すればいいと思います。
Q. 退職届はいつ出す?理由は何と書く?
まずは口頭で上司に伝えて、退職日が決まってから出すのが一般的です。僕もまだ出していなくて、来月の頭に出す予定です。
理由は「一身上の都合により」で十分です。本当の理由を書く必要はありません。書式が会社で決まっていることもあるので、そこも就業規則で確認しておくと安心です。
Q. 強く引き止められたら?
待遇やポジションの話を出されても、辞める日だけは譲らないことが大事です。「もう少し考えてみます」で話を終えてしまうと、そこから長引きます。僕の場合は、次が決まっていると最初に伝えていたので、引き止め自体がありませんでした。
Q. 上司が退職を受け付けてくれないときは?
直属の上司が取り合ってくれない場合は、人事に直接相談する方法があります。それでも話が進まないときの最終手段として、退職届を会社に郵送する(記録が残る形で送る)というやり方もあります。ただ、あくまで最後の手段です。できる限り、話し合いで円満に辞めるのが一番です。
まとめ:辞めると伝えるのは、覚悟がいる。でも言えば進む

退職を伝えるのは、相談ではなく報告です。そう決めて切り出すには、それなりの覚悟がいります。僕も言うまでに2週間かかりました。
上司の一言にはイライラしましたが、言ってしまえば、退職日も引き継ぎもちゃんと決まりました。仲のいい人たちが悲しんでくれたことも、言わなければ知らないままでした。言うまでが一番しんどくて、言ってからは、物事が前に進み始めます。
今、辞めると伝えるタイミングを迷っている人がいたら、まずは就業規則を確認して、辞める日を決めるところから始めてみてください。
退職届を出す日も、最後の夜勤も、全部書いていくつもりです。
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