食品工場の深夜3時【静かなラインと「俺、何してんだろ」という虚無】

現場のリアル

深夜3時の工場が、一番しんどいです。

22時に出勤してから5時間が経っています。朝の7時退勤まで、まだ4時間ある。折り返しを過ぎたのに、終わりがまだ遠い。

この時間帯に、毎回同じことを思います。

「この時間に働いてる俺って、何してんだろ。」

虚無、という言葉が一番近いです。

■ 深夜3時の工場は、静かに感じる

昼間の工場は人が多いぶん、騒がしいです。

深夜は違います。稼働している人数が少ないので、機械の音だけが聞こえる。ラインの動く音、コンベアのモーター音、充填機の低いうなり。それ以外はほとんど無音です。

静かに「感じる」のであって、実際は機械音があります。でも人の声がないぶん、空間全体が静かに見えます。

その静けさの中で、白い作業着・帽子・マスク姿で一人ラインに立っている。外では世界中の人が寝ている時間に、自分だけがここにいる感覚があります。

■ 「何してんだろ」という感覚が来る時間帯

この感覚は、決まって深夜2時〜4時の間に来ます。

体が限界に近づいてくる時間帯です。眠さがピークに向かって、頭が動かなくなってくる。手は作業しているけど、「今自分が何をしているか」を考えていない状態になる。

そういうときに、ふと我に返る瞬間があります。

ラインを見ながら、「俺、今何してるんだっけ」という感覚が来る。自分がどこにいるか、なぜここにいるのか、その感覚が一瞬薄くなる。

これは眠いとか疲れているとか、そういうレベルの話じゃないです。もっとじわっとした、存在感みたいなものが揺れる感覚です。

10年やってきて、この感覚が来なくなったことはないです。

■ 深夜3時にやらかすのは、なぜかこの時間帯

ミスが起きやすいのも、この時間帯です。

ある日、床の水切りをしながらぼーっとしていたら、水切りの先が充填機の非常停止ボタンに当たってしまいました。食品工場では陽圧が止まると、CIP・SIPという洗浄・殺菌工程をやり直す必要があります。その日は5時間の製造遅れになりました。

「ぼーっとしていた」のが原因です。

深夜3時前後の時間帯は、注意力が一番落ちています。慣れた作業だから大丈夫、と思っていたらミスをする。経験を積んでいても、体内時計には勝てないです。

■ 4時を過ぎると「意味がわからなくなる」

深夜3時の虚無が続いて、4時を過ぎると別の感覚になります。

「意味がわからなくなる」という表現しか出てこないです。眠いとか眠くないとかじゃなく、ただ体が動いている。自分が今どこにいるか、何をしているかという感覚がさらに薄くなります。

ある夜、ラインの前でぼーっとしていたら、自分の名前が一瞬出てこなくなりました。

記憶が飛んでいるわけじゃないです。聞かれたら答えられる。でもあの「空白の一瞬」は今でも覚えています。同じ刺激が何時間も続くと、脳が省エネモードに入るんだと思っています。

■ それでも朝6時になれば体が動き出す

不思議なのは、朝5時を過ぎると少し変わることです。

外が明るくなってくる。「終わりが見えてきた」という感覚で、少しだけ意識が戻ってきます。

ただし油断もしやすい時間帯です。交代直前の6時ごろが、一番集中が切れる。終わりが近いぶん、「あとちょっと」という気の緩みが出てくる。

実際に非常停止を押したのも、朝6時前後でした。終わりが見えかけた、一番油断しやすいタイミングでした。

■ まとめ:深夜3時の「何してんだろ」は消えない

10年やってきて、深夜3時の虚無感に慣れたことはないです。

この時間に働いていることへの疑問、自分が何をしているかわからなくなる感覚、ミスをしやすくなる体。全部まとめて「深夜3時の工場」です。

悪いことだとは思わないようにしています。ただ毎回、この時間になると同じことを考えます。

「この時間に働いてる俺って、何してんだろ。」

答えは出ていないけど、今夜もラインに立ちます。


合わせて読みたい
夜勤のフルタイムレポートはこちら→食品工場の夜勤22時〜7時、正直しんどい話【人間のする仕事じゃない】

やらかした失敗の全部はこちら→工場でやらかした【非常停止・異物混入未遂・全部実話】

コメント

タイトルとURLをコピーしました