「工場員って単純作業しかしてないんでしょ」
そう思われがちです。自分でもそう思っていました。
でも10年やってきて気づいたのは、工場勤務で身につくスキルは意外と幅広いということです。28歳、3社経験している自分が、実際に身についたスキルを正直に棚卸ししてみます。
工場員が自分のスキルを過小評価しないために、書いておきます。
身についた技術スキル

まず現場で直接身につくスキルです。
①機械の異常を音で判断できる
長くいると、機械の音が少し変わっただけで「何かおかしい」とわかるようになります。正常な音と異常な音の違いを耳が覚える。これは資格にはならないけど、現場では大きな価値です。
②工具の扱い・簡単な溶接
メンテナンス業務で工具の扱いに慣れます。簡単な溶接ができるようになっていることも多い。工場勤務で唯一「素直に誇れるスキル」がここかもしれないです。
③TPM活動の進め方
設備保全のTPM活動を回せるようになります。改善提案、計画立案、実行、検証のサイクル。これはマネジメントスキルそのものです。
④部品の発注・在庫管理
必要な部品を発注して在庫を管理する。コストを意識しながら適切な量を見極める。地味だけど、ものの管理ができるという経験は他の業界でも活きます。
身についたPC・事務スキル

「工場=肉体労働」というイメージと違って、PC作業も日常的にあります。
①Excel
データ入力、集計、簡単な関数。在庫管理表や報告書を作成するうちに自然と覚えます。
②PowerPoint
改善提案や報告会の資料作成で使います。最初は触ったこともなかったのに、気づけば普通に使えるようになっている。
③書類作業
報告書、申請書、稟議書。決まったフォーマットに沿って書類を作る経験は、どこの会社に行っても必要なスキルです。
身についたソフトスキル

これが意外と大きいです。
①観察力
ラインの異変、人の表情、雰囲気の変化。常に何かを観察している仕事なので、観察力が自然と鍛えられます。
②忍耐力
同じ作業を長時間続ける、トラブル対応で気が抜けない時間を耐える、人間関係のストレスをやり過ごす。工場で生き残るには、相当の忍耐力が必要です。
③素早い判断力
ライン停止、機械トラブル、品種切替。瞬時の判断を求められる場面が多いので、判断スピードが上がります。
④人を動かす力
パートさんの管理、後輩の指導、シフト調整。立場が上がるほど「人をどう動かすか」が問われる。マネジメント力の基礎が現場で鍛えられます。
身についた専門知識
食品工場ならではの知識も身につきます。
①FSSC・ISO
食品安全マネジメントシステム(FSSC22000)や品質マネジメント(ISO9001)など、国際規格の知識が自然と入ってきます。これは食品業界以外でも武器になります。
②衛生管理
HACCPの考え方、異物混入対策、清掃ルール。食品工場の衛生レベルは異常に高いので、その水準を体で覚えることになります。
なぜ自分のスキルを過小評価してしまうのか
工場員は自分のスキルを低く見積もりがちです。
理由は単純で、「毎日やっていることが当たり前すぎて、スキルだと認識していない」から。機械音の判断も、TPM活動も、Excelも、人を動かすことも、全部「仕事の一部」だと思っているうちに、それが価値あるスキルだと忘れてしまう。
転職活動を始めて気づきました。これだけ多くのスキルを言語化して伝えられれば、製造業以外でも戦えるはず、と。
まとめ:工場員は思っているより多くのスキルを持っている

技術スキル、PCスキル、ソフトスキル、専門知識。10年いれば、工場員は確実に多くのスキルを身につけています。
問題は「身についている」ことに気づいていないこと。
転職活動でも副業でも、まず自分のスキルを棚卸ししてみてください。「自分には何もない」と思っていた人ほど、書き出してみると意外と多くを持っているはずです。
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