食品工場は汚いのか、10年働いた人間が正直に答える

現場のリアル

「食品工場って汚いの?」

これはよく聞かれます。結論を先に言います。

製造ラインは清潔です。でも「汚い」と感じる部分は別のところにあります。

10年食品工場にいた人間が、正直に答えます。

■ 製造ラインは清潔、でも「汚い」はそこじゃない

食品工場の製造ラインは、かなり清潔に管理されています。

アルコール消毒・手洗い・白い長袖作業着・帽子・マスク・ゴーグル。ここまで徹底しているのは食品を口に入れるものだからです。ラインに入る前の準備だけで時間がかかります。

製品が流れているラインを見て「汚い」と感じたことは、10年でほとんどないです。

ただ「汚い」と感じる場所は別にあります。

■ 更衣室が臭い

一番正直に言うと、更衣室です。

毎日同じ作業着を着ている人がいます。汗の匂いが染み付いた作業着がロッカーに詰め込まれている。夏場は特にひどくて、更衣室に入った瞬間に匂いが来ます。

ホームレスみたいな匂いがするロッカーが実際にありました。

食品を扱うラインはあれだけ衛生管理しているのに、更衣室の匂い管理は個人任せになっています。この矛盾は10年いても解消されなかったです。

■ まつ毛にはゴーグル、でも体毛は黙認

製造ラインに入るとき、場所によってはゴーグルをつけます。まつ毛の異物混入対策です。

ただ、腕毛や足毛には特に対策がないことが多いです。

まつ毛一本には「ゴーグル必須」なのに、そっちは黙認。冷静に考えると、指より先の体毛の方が異物混入するんじゃないかと言いたくなります。

10年いてもこの矛盾には慣れなかったです。

■ 検便が毎月ある

食品工場の衛生管理で精神的にくるのが検便です。

乳業系の工場は菌に厳しく、月1回の提出が義務になっています。毎回、人としての尊厳を少し失う感覚があります。

必要なことはわかっています。食中毒を防ぐために重要な検査だということも。でも毎月、容器を渡されて提出するたびに「これが仕事の一部なのか」という気持ちになります。

10年やっても、ここだけは慣れないです。

■ 消毒液で手が荒れる

食品工場はアルコール消毒と手洗いの回数が異常に多いです。

結果として手が荒れます。指の付け根があかぎれで血が出るようになりました。冬は特にひどくて、作業中に染みる。絆創膏を巻いて仕事するのが当たり前になっていました。

清潔を保つための消毒が、体に影響を与えています。

■ 食品工場で働いて、食べ物への見方が変わったか

これもよく聞かれます。

正直に言うと、変わらなかったです。

製造ラインで作られている食品が「汚い」とは思わなかったです。それだけ管理が徹底されているということでもあります。スーパーで乳製品を見ても、「あの工程を経て作られたんだな」と思うくらいで、食欲が落ちることはなかったです。

ただ更衣室の匂いは、今でも思い出すと鼻がひきます。

■ まとめ:食品工場は製造ラインは清潔、でも別の「汚い」がある

「食品工場は汚いか」という問いへの答えは、こうです。

製造ラインは清潔に管理されています。食品の安全という意味では信頼できます。

ただ更衣室の匂い、検便の精神的なしんどさ、消毒液による手荒れ、ゴーグルと体毛の謎の矛盾。これらは10年いても「汚い」「しんどい」と感じる部分でした。

食品工場で働くことを考えている人には、製造ライン以外のこういう部分も知っておいてほしいです。

まだ抜け出せていないけど、足掻いています。


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