食品工場は「やめとけ」と言われる理由に、10年働いた人間が答える

現場のリアル

「食品工場はやめとけ」

転職や就職を考えているとよく聞く言葉です。10年食品工場で働いてきた人間として、この言葉に一つずつ答えます。

単純作業がきついと言われる理由

食品工場の作業は同じ動作の繰り返しです。慣れれば楽になりますが、慣れることとやりがいを感じることは別でした。

10年やってきて、やりがいを感じたことがほとんどないというのが正直なところです。「今日は楽しかった」と思って工場を出た日が数えるほどしかない。

単純作業がきついと言われる理由は、慣れではなく感覚が麻痺していく部分にあると思っています。

3K(きつい・汚い・危険)と言われる理由

きつい・汚い・危険。それぞれ答えます。

きついのは事実です。夜勤があり、立ちっぱなしで、単調な作業が続きます。

汚いというイメージは、製造ラインに関しては違います。むしろ衛生管理は徹底されています。ただ更衣室が匂う、検便が毎月あるなど、別の意味で「汚い」と感じる部分はあります。

危険については、異物混入を防ぐための衛生ルールが厳しく設定されています。ただ非常停止のボタンを誤って押してしまうなど、慣れによる油断でのミスは起きます。

夜勤・残業で生活リズムが崩れると言われる理由

これは完全にその通りです。

夜勤明けに帰宅しても2時間で目が覚めることがありました。眠れても体が休まっていない感覚が残ります。深夜3時〜5時の時間帯は、頭が働かなくなる感覚があります。

夜勤がある職場を選ぶなら、体への影響は覚悟しておいた方がいいです。

人間関係の当たり外れが大きいと言われる理由

工場は毎日同じメンバーで顔を合わせる環境です。逃げ場がないので、人間関係が悪化すると消耗が激しくなります。

自分の陰口を人づてに聞いて、後から確信した経験があります。それ以来、業務上必要なこと以外はしゃべらなくなりました。

職場によって人間関係の当たり外れが大きいというのは、実感としてもその通りです。

スキルが伸びにくいと言われる理由

工場の仕事は「誰でもできる仕事」というイメージがつきやすいです。

10年やってきて、正直「何かスキルが身についたか」と聞かれると即答できなかった時期がありました。転職活動を始めて職務経歴書を書いてみたら、意外とスキルが言語化できることに気づきました。設備メンテナンス・ラインリーダー経験・トラブル対応。

スキルが伸びにくいというより、身についたスキルを認識しにくいというのが実態に近いと思っています。

給与が低いと言われる理由

食品工場の給料は、他の製造業と比較すると低めの傾向があります。

夜勤手当や残業込みで見れば悪くない金額になることもありますが、基本給だけで見ると物足りなさを感じることが多いです。

3社経験して年収は上がってきましたが、正直、他業種に比べて上がり方が緩やかだと感じています。

「底辺」と見られやすいと言われる理由

これが一番きつい部分かもしれないです。

マッチングアプリで職業欄に「工場勤務」と書けなかった経験があります。自分自身が工場勤務にネガティブな感覚を持ってしまっていたからです。

見下されると感じる場面は実際にあります。ただ一番きついのは、自分が自分を見下していたことでした。

それでもすべての食品工場が「やめとけ」ではない

ここまで書いてきたことは、自分が経験してきた食品工場のリアルです。

ただ全ての食品工場が同じというわけではないです。職場によって人間関係が良かったり、教育体制がしっかりしていたりするケースもあります。実際、自分も1社目は仕事の中身自体は楽しかったです。

「食品工場はやめとけ」という言葉には一定の真実がありますが、それは職場によって差があるという前提つきです。

まとめ:やめとけと言われる理由は、だいたい本当だった

10年やってきて、「やめとけ」と言われる理由の多くは本当だったと感じています。

単純作業できつい。夜勤で生活リズムが崩れる。人間関係の当たり外れが大きい。スキルが認識しにくい。給料が上がりにくい。見下されることがある。

それでも10年続けてきたのは、他に何ができるかわからなかったからです。今は転職活動をしています。

食品工場で働くことを考えている人には、ここに書いたことを知った上で判断してほしいです。

まだ抜け出せていないけど、足掻いています。


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